神戸家裁、平成23年2月に記録廃棄か 連続児童殺傷事件

重大少年事件の記録が各地の家裁で廃棄されている問題で、神戸家裁は27日、平成9年に起きた神戸連続児童殺傷事件の全記録を23年2月28日に廃棄した可能性が高いと明らかにした。事件名や加害男性の氏名、生年月日などを記録したデータが家裁のサーバー内で見つかり、廃棄年月日が記録されていたという。
一般的な少年事件の書類や記録は、少年が26歳に達するまで保存するよう定められている。神戸連続児童殺傷事件の記録は、26歳以降も管理の対象とする「特別保存(永久保存)」に指定されておらず、神戸家裁は加害男性が26歳となる20年以降に廃棄したとみられていた。
家裁は廃棄が明らかになった20日、廃棄の時期や経緯について「不明」としていたが、25日に連続児童殺傷事件を含む少年事件に関するデータ群がサーバー内で見つかった。データ群は令和元年に家裁の事件処理システムを更新する際、バックアップとして保存していたもので、連続児童殺傷事件の記録廃棄年月日が記されていたという。
重大少年事件をめぐっては連続児童殺傷事件のほか、平成16年の長崎小6女児殺害事件や24年の京都府亀岡市の10人死傷暴走事故など全国の家裁で記録の廃棄が判明。最高裁は今月25日、裁判記録の保存のあり方について有識者委員会で検証する方針を示した。
神戸家裁は廃棄当時の職員らへの聞き取りを含め、再調査を行うかどうかについて「最高裁における検討を踏まえ、適切に対応したい」としている。