旧統一教会メディア訴訟で呼び捨て、名前間違い…有田芳生氏「内部は大混乱」

世界平和統一家庭連合(旧統一教会)は焦っているのか。27日に旧統一教会は日本テレビと出演者の有田芳生氏、TBSラジオと出演者の紀藤正樹弁護士をそれぞれ名誉棄損で訴えると発表。合計3300万円の損害賠償を求めた。攻められっぱなしの教団による反撃となったが、会見では不手際も目立った。有田氏は「内部は大混乱に陥っているのではないか」と言う。
今回、旧統一教会が問題にしたのは、有田氏が8月19日放送の「スッキリ」(日本テレビ系)でした「やはりあのもう霊感商法をやってきた反社会的集団だっていうのは警察庁も認めているわけですから」との発言だった。また、紀藤氏については9月9日にTBSラジオの番組で話した、旧統一教会と暴力団の関係について述べた部分が名誉棄損だとしている。
旧統一教会はこれらの発言に対して事実ではないと主張。一方、訴訟を受けて、有田氏は「断固として闘っていく」、紀藤氏は「言論を萎縮させることを狙った訴訟で許しがたい」とコメントを出した。
こうしたメディアや識者への訴訟は先月に続き2度目となるが、この日の会見はドタバタだった。有田氏のことを「有田」、紀藤氏のことを「紀藤」と呼び捨てにして言い直す場面があったり、「スッキリ」を放送する日本テレビに通知書を送るはずが、系列の読売テレビに送っていたことがわかるなど、不手際が目立った。
それだけではない。有田氏の元には事前に質問書が送られていたが、同氏によると「封書のあて名が『有田芳夫』で届いたのです。名前が違うから返事していません。無視ですよ」というのだ。封書の中に入っていた文書は正しい名前になっていたというから嫌がらせではなく、単純に間違ったのだろう。
これだけミスを重ねるのはなぜなのか。有田氏は「教団内部は今、大混乱なのでしょう。韓国本部からは『日本にはちゃんとやってくれる弁護士はいないのか!』と言われているそうです」と韓国本部からの意向もあり、訴訟で結果を出さないといけないという焦りがあるのではないかという。
訴訟については「いくらでも証拠は出せるので負けるわけない」と自信を持つ有田氏だが、「萎縮効果はあります。私や紀藤氏を出演させると訴えられるとなると、テレビは萎縮します」と指摘した。
そういう効果を狙っているのだろう。旧統一教会の顧問弁護士・福本修也氏は「第3弾、第4弾も検討中だ」と意気込んでいる。
実際に教団内部ではテレビ番組のチェックを行っている。法務案件を担当する旧統一教会関係者は「広報部でいつも見ており、何かあると連絡があり、精査して弁護士に相談している。影響力はテレビが一番大きい。(旧統一教会を)扱っている番組すべてを対象にしています」と明かした。
信者からはテレビ以外の媒体についてのクレームも寄せられているという。「新聞や雑誌も視野に入っているし、特にツイッターやユーチューブには信徒さんからの苦情が多く、今後、訴訟の可能性はある」(同)
旧統一教会をめぐる騒動はまだまだ続きそうだ。