政府の総合経済対策により、標準家庭のエネルギー関連の支出は来年1月以降、月5000円程度減る見通しだ。負担軽減策は9月までの実施が予定されている。
電気と都市ガスについて、政府は小売会社に料金抑制の原資となる補助金を支給する。電気料金では、家庭向けに1キロ・ワット時あたり7円、企業向けに3・5円を補助する。標準家庭(使用量月400キロ・ワット時)の場合、月料金の2割程度に相当する2800円の引き下げとなる。都市ガス料金は1立方メートルあたり30円を補助し、標準家庭(月30立方メートル)では月900円の負担軽減となる。
補助金を受ける小売会社が実際に値下げを行ったかを確認する方法について、経済産業省は「今後検討する」としている。
ガソリンなど燃料油の価格を抑制するため、石油元売り会社に対して補助金を支給する制度も、レギュラーガソリン1リットルあたり35円を上限とする補助を継続する。ただし、来年6月時点で上限が25円となるようにするなど、補助額は徐々に縮小する方針だ。
全国の約4割の世帯が契約しているLPガスでは、事業社数が約1万7000に上り、中小・零細企業も多い。政府は配送の効率化などの経営合理化策を資金面で支援し、間接的に料金の抑制を目指す。
一方、政府にとっては負担軽減策の「出口戦略」も課題になる。今年1月に始めたガソリン補助金制度は、原油価格の高止まりにより延長が繰り返され、3兆円以上を費やす見込みだ。
火力発電の燃料となる液化天然ガス(LNG)などの価格は来年以降も高止まりする可能性があり、ガソリン補助金と同様の事態になりかねない。