企業のウェブ適性検査で「替え玉受検」、就活女子大生ら300人から報酬か…関電社員逮捕

就職活動中の女子学生になりすまし、採用選考を行う企業がウェブで行う適性検査を受けたとして、警視庁は21日、関西電力社員の男を私電磁的記録不正作出・同供用容疑で逮捕した。警視庁は男がSNSで就活生を募り、今年1月以降だけで約300人から「替え玉受検」を請け負っていたとみている。
企業が就活生に課す適性検査などのウェブテストを巡っては、本人以外が受検する不正の横行が指摘されていた。摘発は全国初とみられる。警視庁は今後、替え玉受検を頼んだ女子学生についても同容疑で書類送検する方針だ。
捜査関係者によると、逮捕されたのは、関西電力社員の田中信人容疑者(28)(大阪市)。
田中容疑者は今年春、東京都内に住む20歳代の女子大学生のIDやパスワードを使って、自宅のパソコンからウェブテストのサイトに接続し、都内の企業が新卒採用向けに実施した適性検査を女子学生になりすまして受検した疑い。
適性検査は、言語や数字を読み解く能力などを測定するテストで、企業が外部の業者に委託して実施。女子学生は田中容疑者に報酬4000円を支払い、企業側から付与された受検用のIDとパスワードを伝えて受検を頼んでいた。
テストの結果、女子学生の適性に問題はないと判断されたが、その後の面接で不採用になったという。
警視庁は田中容疑者が数年前からツイッターなどで「ウェブテスト代行業」をうたい、就活中の学生らから1回数千円の報酬を受け取って替え玉受検を請け負っていたとみている。
警視庁はサイバーパトロールで田中容疑者のツイッターを発見し、今年夏頃に自宅を捜索して捜査を進めていた。刑法の私電磁的記録不正作出・同供用罪は、人の事務処理を誤らせる目的でデータを不正に作り出す行為に適用され、違反者に5年以下の懲役または50万円以下の罰金を科す。警視庁は学生になりすましてテストに解答した行為がこれに該当すると判断した。