URLは国税庁そっくり、記者も思わずHP開きそうに…ニセの納税督促メール続々

国税庁や税務署をかたり、偽サイトに誘導、個人情報を入手しようとするメールやショートメッセージサービス(SMS)の報告が全国で相次いでいる。徳島県消費者情報センター(徳島市)にも相談が寄せられ、国税庁などは注意を呼びかけている。(山根彩花)
■3万7000件
何者かが、不特定多数に送信しているとみられる。本文には「税金が納められていない」「納税の手続きがエラーになり完了しなかった」などとして、ホームページ(HP)のURLを記載している。URLにアクセスすると、名前、クレジットカードやプリペイドカード情報などを入力する欄が設けられた偽サイトに誘導される。
国税庁などには、こうしたメールやSMSが届いたという相談が7月から寄せられ始め、11月末までの件数は全国で約3万7000件。中には、金をだまし取られた例もあり、国税庁は、HPなどで注意喚起を行っている。
■初めての手口
県内でも、同様の報告が相次いだ。県消費者情報センターによると、8月に40歳代男性と70歳代女性が、未納の税金を支払うよう指示するSMSを受け取った。2人は、「迷惑メールだろう」とHPにアクセスせず、被害はなかった。2013年以降、同センターには、国税庁の職員を名乗る電話に関する相談は12件寄せられていたが、メールやSMSを使った手口は初めて。これまで計8件の相談があったという。県警にも、8月中旬から11月末までに、同様の相談が約60件あった。
同センターの担当者は「国税庁が、メールやSMSで税金の督促をすることは決してない。不審な場合はHPを開かずに、相談してもらいたい」としている。

「税務署からのお知らせ【未払い税金のお知らせ】」
9月上旬、記者が自宅で何げなく新着メールを確認中に、件名が目に入った。送り主は「国税庁」。「まずい。何か納付し忘れていたか」と急いでメールを開いた。
本文には、「自主的に納付されるよう催促してきましたが、まだ納付されておりません」とあった。滞納額は5万円。「お支払いへ」とする表記の横にHPのURLが書かれていた。支払わなければ給料や自動車などを差し押さえる――という。
URLは本物の国税庁のものとそっくり。思わずHPを開きそうになったが、読み返すと日本語の表現や漢字には所々、不自然なところがある。実在の企業をかたって偽サイトに誘導する「フィッシング詐欺」が急増していることを思い出した。県警担当として、詐欺の取材をしたこともあったが、「自分は大丈夫」と、どこか人ごとだったかもしれない。いざ、メールを受け取ると慌ててしまった。事なきを得たが、詐欺の巧妙さを実感した。