陸自に「沖縄防衛集団」創設へ…「師団」と「旅団」の中間の3000人規模

防衛省は、南西諸島防衛の中核となる新たな部隊として、陸上自衛隊に「沖縄防衛集団」を創設する検討に入った。現在の陸自第15旅団(那覇市)に部隊を追加配備し、2027年度までをメドに組織を新編する。
複数の政府関係者が明らかにした。月内に閣議決定される防衛力整備計画(現・中期防衛力整備計画)に創設方針を盛り込む方向だ。
第15旅団は2010年に設立され、司令部を置く那覇駐屯地には、歩兵部隊にあたる普通科連隊のほか、防空を担う高射特科連隊、偵察隊など計約2000人の隊員を擁する。これにさらに普通科連隊一つを加え、沖縄防衛集団に格上げする計画だ。新編後の規模は3000人程度を見込んでいる。
引き続き、那覇駐屯地を拠点とし、新たな用地取得などは行わない見通しだ。
陸自の作戦部隊は九つの「師団」と、これに準じる六つの「旅団」に大別されるが、新編する「集団」は両者の中間の規模に位置づけられる。覇権主義的な動きを強める中国が台湾の武力統一に踏み切る可能性が指摘される中、台湾に近い南西諸島の防備を固めるため、旅団から集団への格上げが必要と判断した。

陸自は16年3月に与那国島、19年3月に宮古島にそれぞれ駐屯地を新設し、今年度中には石垣島にも新たな駐屯地が完成する予定だ。国境を守る沿岸監視隊や警備隊などが常駐するが、最も規模の大きい宮古島駐屯地でも隊員は約700人にとどまる。
沖縄防衛集団が発足すれば、有事の際に沖縄本島から各離島へ部隊を機動的に展開することが可能となる。本土からの応援部隊が到着するまでの間の防衛体制を整え、抑止力の向上につなげる。
沖縄防衛集団は、有事に住民を避難させる国民保護の強化や、有事に偽情報を拡散し、住民の動揺を狙う「認知戦」への対処も担う見通しだ。国民保護では、地方自治体との連携を緊密にし、役割分担などを明確にする。認知戦に関しては、情報収集・発信体制を整えることを目指す。