不透明な臓器売買を根絶へ、5学会が共同声明…「貧しく弱い立場の人々」から搾取を阻止

日本移植学会など関係5学会は27日、海外での不透明な臓器移植の根絶を目指す共同声明を発表した。途上国などで臓器売買が疑われる移植を受ける患者が後を絶たない問題を受けたもので、国際的な規範として知られる「イスタンブール宣言」を新たに4学会が承認したという。
4学会は、日本臨床腎移植学会、日本内科学会、日本腎臓学会、日本透析医学会。同宣言は2008年に国際移植学会が採択し、臓器売買や、途上国などで金銭を支払って臓器提供を受ける「移植ツーリズム」の禁止などを提言した。5学会のうち日本移植学会は08年に承認していた。
この日の共同声明は、NPO法人「難病患者支援の会」(東京)が仲介した海外での生体腎移植で、臓器売買が行われた疑いが今年8月に判明したことなどが契機となった。
声明では「貧しく弱い立場の人々から臓器を買うために海外に赴く患者など、数多くの事例が報告されている」などと指摘。こうした現状を改善するため、4学会が新たに同宣言を承認し、5学会が連携して不透明な海外移植の根絶を目指すことを明らかにした。
各学会はホームページで同宣言を周知するほか、海外移植の問題点を会員の医師らと共有し、海外の病院宛てに安易に紹介状を書かないことなどを求める。医師らは、海外移植の法的・倫理的な問題点や健康上のリスクなどを患者に伝え、臓器の搾取や不公平な移植の阻止を図るという。