ALS(筋萎縮性側索硬化症)患者に対する嘱託殺人罪で起訴された元医師の男が父親を殺害したとされる事件の裁判で、共に起訴されている男の母親が証人として出廷し、「証言を拒否する」と述べました。 元医師の山本直樹被告(45)は2011年に、同じく医師の大久保愉一被告(44)と母親の淳子被告(78)と共謀し、父親の靖さん(当時77)をなんらかの方法で殺害した罪に問われています。これまでの裁判で、検察は「3人で殺害を計画した」と指摘し、弁護側は「計画はしたが犯行は大久保被告が1人で行った」と無罪を主張しています。 1月16日は淳子被告が証人として出廷し、「直樹が罪に問われると困りますので証言を拒否します」と述べました。 山本被告と大久保被告は、別のALS患者への嘱託殺人の罪にも問われています。 【証人尋問の様子】 山本淳子被告は、薄紫色の長袖に、灰色のズボン。白髪混じりの髪を上の方で左右に結び、眼鏡をかける。裁判官や弁護士には深々と頭を下げ、質問には淡々と落ち着いた様子で、手元の紙を見ながら答える。 ・検察側との主なやり取り ―――被告人のお母さんですね? 「直樹が罪に問われると困りますので、証言を拒否いたします」 ―――山本靖さんは、あなたの元の夫にあたる方ですね? 「直樹が罪に問われると困りますので、証言を拒否いたします」 ―――平成23年(2011年)3月5日に靖さんが亡くなったことについて、あなたが知っていることを教えてください。 「直樹が罪に問われると困りますので、証言を拒否いたします」 ―――なぜ証言を拒みますか? 「直樹が罪に問われると困りますので、証言を拒否いたします」 ・裁判官からの確認 ―――本日、一切の証言を拒否するということでよろしいでしょうか? 「そういうことでよろしいです」