2022年、静岡・裾野市の「さくら保育園」で発覚した園児虐待事件を巡り、9日、県と市は、園を運営する法人に「改善勧告」を出した。県は「原因の検証」や「再発防止策」を求めている。
(坂井 太一 記者)
「午前9時半です。さくら保育園の園長が会議室に入ります。特別監査を受け、これから改善勧告書を受け取ります」
9日、裾野市の「さくら保育園」の酒井和夫園長兼理事長が市の施設を訪れ、県と市から「改善勧告書」を受け取った。
「さくら保育園」の虐待事件を巡っては、2022年12月、元保育士3人が園児に暴行したとして逮捕され、その後、処分保留で釈放されている。この事件を受け、県と市は実態の解明を進めるため、園に対し「特別監査」を実施していたが、一部で不適切な保育が確認されたとして、9日、運営する法人に「改善勧告」を出した。
(さくら保育園 酒井和夫 園長兼理事長)
「保護者、園児にはご迷惑をかけたと痛感している、早く正常の保育の現場を取り戻すために法人として園としても取り組んでいる。今後早く改善を目指していく。子どもたちの笑顔も戻って、私も園長に就任してまだ1か月ほどではあるが、明るい雰囲気に戻りつつある」
県と市は、園側に再発防止策などを書面で提出するよう求めていて、園は今後、既に立ち上げている「改善委員会」などで協議し、3月までに報告書をまとめる方針。
これを受け、県は会見を開いた。
(県福祉長寿局 浦田 卓靖 局長)
「裾野市の認可保育園・さくら保育園について特別指導監査を実施した結果、児童福祉法第46条第3項に基づき改善勧告を行いました」
県は「さくら保育園」の運営法人に対して行った特別監査の結果、元保育士の3人は、児童の頭をバインダーで叩くなどの「身体的虐待」や、トイレに閉じ込るなどの「心理的虐待」、必要もなくズボンを下ろすなどの「不適切な保育」といった法令に抵触する事実があったとして改善勧告を行ったと説明した。
また、県は、特別監査を行った結果、新たに「児童一人一人の食事のペースを考慮せず、時間内に完食させようと無理やり食べさせる行為」が確認できたという。また、3人の元保育士以外の保育士も、園児に「ブス、デブ」など容姿をバカにした呼びかけを行っていたも明らかになった。
改善勧告では「虐待等の不適切な保育についての原因の検証」や「再発防止に向けた取り組みの実施」、「保護者との信頼関係を図るための措置」について3月9日までに改善状況を報告するよう求めている。
また、県と同じく「改善勧告」を出した裾野市の村田市長は、「勧告内容が確実に履行されるよう注視し、さくら保育園をはじめ、市内の保育園を安心して利用できる保育環境の整備に全力で取り組んでまいります」とコメントしている。
この事件を巡っては、市の担当部長も“虐待”を把握していたにも関わらず3か月以上もの間、市長に報告せず、“公表の遅れ”が指摘されていて、市長は今後、担当の職員らを懲戒処分する方針。