児童虐待通告、大阪府で過去最多1万2942人 全国ワースト

大阪府警は、虐待を受けた疑いがあるとして、昨年1年間に児童相談所に通告した18歳未満の子供の数が1万2942人となり、統計を取り始めた平成13年以降最多だったと発表した。前年より917人(7・6%増)増えた。府警少年課は「近隣住民の通報で虐待が明らかになるケースが多い」と指摘している。
通告人数は、令和元年の1万2609人をピークに2年連続で減少していたが、再び増加に転じる結果となった。虐待の内容は、暴言や子供の前での夫婦間の暴力など「心理的虐待」が9291人と最多で、全体の約7割を占めた。次に「身体的虐待」2448人、ネグレクト(育児放棄)などの怠慢・拒否(1182人)―と続いた。
摘発人数も152人で過去最多だった。府内では、昨年6月、富田林市の団地で2歳の女児が放置され死亡する事件が発生。女児を含めて1年間で4人の子供が虐待により死亡した。同課は「疑いのある事案があればためらわずに通報をしてほしい」と呼びかけている。
また、昨年1年間に府警が対応したDVの件数は1万383件で、13年連続で最多を更新。1万件を超したのは全国でも大阪のみという。DV被害者の性別は女性が68・1%、男性が31・9%で、全国平均に比べ男性の比率が5%多かった。
一方、ストーカーの相談件数は前年比で0・9%減の1037件。被害者は89・1%が女性だった。被害者と加害者の関係は交際相手(元を含む)が34・2%と最多。続いて「面識なし」、「職場関係」だった。
改正ストーカー規制法に基づく警告件数は250件、禁止命令は118件でいずれも過去最多。摘発は規制法違反69件、住居侵入などの刑法犯・特別法犯が114件だった。