「直前にくしゃみ、意識遠のいた」 大阪の病院突っ込み、現場にブレーキ痕なく

大阪市生野区巽南の生野愛和病院に乗用車が突っ込み、歩道にいた女性2人が死亡した事故で、少なくとも約60メートル手前からブレーキ痕がないことが2日、大阪府警への取材で分かった。自動車運転処罰法違反(過失致死)の疑いで逮捕された同市平野区加美北の無職、呉(ご)昌樹容疑者(71)=韓国籍=が「事故直前にくしゃみをして意識が遠のいた」との趣旨の供述をしていることも判明。府警は呉容疑者が運転中に何らかの理由で意識障害に陥った可能性も視野に状況を調べる。
府警は同日、死亡した2人の身元を無職、黒田シマ子さん(86)=大阪市東住吉区西今川=と無職、口池(くちいけ)邦子さん(75)=同=と発表した。2人は近所の知り合いで、連れ立って病院を訪れていた。
府警によると、呉容疑者の車は、病院から約60メートル手前の交差点に進入後、反対車線を逆走。速度を落とさずに歩道を走行して病院の花壇に衝突したとみられる。
呉容疑者は「事故現場手前でくしゃみをした瞬間、一瞬、気が遠くなってその後、どのように事故になったのか分からない」と供述。少なくとも交差点付近から路面にブレーキ痕はみられなかったという。事故後の呼気検査でアルコール分は検出されず、府警は持病の有無などを調べている。
事故は1日午後2時45分ごろ発生。死亡した2人は病院の壁と車の間に挟まれ、頭を強く打ち、その場で死亡が確認された。呉容疑者は「人をはねたことに間違いない」と容疑を認めている。