滋賀県日野(ひの)町で昭和59年に酒店経営の女性=当時(69)=を殺害し金庫を奪ったとする強盗殺人罪で無期懲役が確定し、平成23年に75歳で病死した阪原弘(ひろむ)元受刑者の再審開始を認めた大阪高裁決定について、大阪高検が6日、不服として最高裁に特別抗告した。これを受け、元受刑者の長男、弘次さん(61)は大津市内で記者会見。「いたずらに時間を引き延ばすべきではない。本当に悔しい」と検察への怒りをあらわにした。
元受刑者の逮捕から約35年。「父ちゃんの無念を晴らしたい」。その一心で、全国を奔走して支援を求めてきた。再審開始を認めた大阪高裁決定の2日後には、墓前で「これで再審無罪にまた一歩近付いた」と語りかけた。高検が特別抗告を断念してくれるものと信じていたという。
墓前で「無罪やで」と報告できる日がくるまで戦う覚悟だが、焦りもある。弘次さんの母親、つや子さんは85歳。生きている間に「亡き夫の無念を晴らしたい」との思いが強い。つや子さんはこの日、弘次さんが「なんで特別抗告したんやろうな」と問いかけても、言葉が見つからない様子だったという。
平成24年3月に弘次さんらが申し立てた第2次再審請求はすでに約11年が経過。最高裁の判断はいつになるか分からない。再審請求審は長期化する傾向にあり、日本弁護士連合会は、検察の不服申し立てを禁止する法改正を求めている。