2週間の”ガチ訓練”で「予備自衛官」になってみた 26年「外資系金融」勤務からの挑戦…驚きの発見

ウクライナ情勢を受けて、欧州では「自分の身は自分で守る」という考えから、自主的に防衛のための訓練に参加する一般市民が増えているそうだ。
ここアジアでも近年地政学的緊張や災害リスクが高まっているが、いざというときに自分の身を守り、周りの人を救えるだけの知識や能力を、我々はどう身につければいいのだろうか。
実は「予備自衛官制度」を利用すれば、自衛隊経験がない人でも自衛隊で訓練を受けることが可能で、「人に助けられる側」ではなく「人を助ける側」に回れるようになるかもしれない。
予備自衛官制度とはどのようなものなのか、実際に自衛隊未経験で「予備自衛官」になった、元ビジネスマンとしての視点でまとめてみた。
*この記事の後編:「予備自衛官補」の訓練、ど素人が受けた驚く感想
「26年間の外資系の会社勤め」からリタイア
おととし26年間の会社勤めからリタイアした筆者は、ずっと外資系の会社に勤めてきた。
逆説的に響くが、外資系で働くと、自分の日本人としてのアイデンティティを意識することが多くなる。リタイア後は、「これまでのスキルを活かしつつ、日本の組織の中で何か世の中のために役立つことをしたい」と考えていた。
だが、「アラフィフ」という年齢の壁がハンディキャップとして立ちはだかり、なかなか「これは」という機会に恵まれなかった。
そんな中、「予備自衛官制度」というものがあることを知った。筆者はいわゆる「ミリオタ」、ミリタリーオタクではないが、「探していた仕事はまさにこれかも」と思った。
予備自衛官とは、普段は日常生活を送りながら、いざというときには常備自衛官と同様の身分となり、第一線部隊が出動した際の駐屯地の警備や、通訳・補給などの後方支援の任務などにつく仕事だ。
まず「予備自衛官補」になる必要がある
予備自衛官になるためには、まず「予備自衛官補」になる必要がある。
「予備自衛官補」とは聞きなれないが、自衛隊未体験の一般人が、予備自衛官になる前に教育訓練を受けるステージだ。
私のようなアラフィフかつ素人でも、53~55歳未満かつ防衛に役立つ技能を持つ人であれば、予備自衛官補の試験を受け、5日間の招集訓練を2回修了すると、「補」がとれて「予備自衛官」になれる。
コロナ禍でやや時間がかかったものの、おととしの春に試験合格し、昨年1月に計10日間の訓練を修了、そして晴れて「予備2等陸曹」に任用された。
訓練で大変お世話になった我々の教育係である班長は、隊歴20年で階級は2曹。「予備」が付くとはいえ、その班長と同じ階級をわずか80時間の訓練で頂いてしまうのは正直やや畏れ多い。