「宿泊税」税収は年間1億円 「使い道を明確にして」との声も 沖縄屈指の観光地・北谷町

[リポート’23 北谷発]
沖縄県内屈指の観光地となっている北谷町が、町内のホテルなどへの宿泊客から「宿泊税」の徴収を検討している。町の宿泊や観光業、経済界から新たな独自財源の確保に賛同する声も多い。ただ、県も導入を予定している宿泊税との差別化や、徴収した税の使い道を「明確にしてほしい」との意見もある。町は「納税者や宿泊業者などが納得できる形で進めるのが大前提」と理解を求める。(中部報道部・砂川孫優)
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町は宿泊税の導入検討に向け、2023年度の一般会計予算案に検討委の設置などを盛り込んだ事業費542万円を計上した。税額、税収の使途などは検討委や宿泊業者の意見を踏まえて決定するが、導入は県の宿泊税と同時期を見据えている。
税額は県と同様、宿泊料1人1泊につき5千円以上2万円未満は200円、2万円以上は500円と想定。5千円未満の場合や、修学旅行生からは徴収しない。年間最大約1億円の税収を見込んでいる。
■ハードとソフト
県によると、北谷の宿泊施設は約165施設で客室数は2780室、収容人数は9400人。商業施設が並ぶアメリカンビレッジやサンセットビーチ、ダイビングなどのマリンスポットには多くの観光客が訪れる。宿泊税の導入により、ハード・ソフト両面の観光施策にピンポイントで事業化を図り、安定した財源確保が期待されている。
県は20~21年に宿泊税の導入に必要な条例案を県議会へ提案予定だったが、コロナで打撃を受けた観光業への影響を懸念して見送った。23年度から宿泊・観光業者などと意見交換後、再提案を模索する考えだ。
県内の市町村で宿泊税は恩納村と宮古島市で検討されている。県は二重課税を防ぐため、独自で宿泊税を導入した市町村では宿泊者が払う税率は県の宿泊税に統一して税額を折半とすることで調整している。
例えば宿泊料金が2万円未満だと県の宿泊税が200円から100円になり、残る100円が市町村の宿泊税となる。
■「税収が半分に」
しかし、町関係者や宿泊業者から、「税収が半分になる」との声も上がる。
北谷は戦後の米軍基地返還後、跡地を開発して本島西海岸の観光名所を切り開いた経緯がある。復帰後の沖縄の経済発展を象徴する地域であり、観光地として他の市町村と異なることを主張している。
県は今後、宿泊税を導入する市町村と税額について検討したい考えだ。
県商工会連合会長で北谷町商工会の米須義明会長は「北谷は観光が基幹産業なので、導入に理解できる」と前置きした上で「県と町で公平性が担保される税額や、徴収方法を検討してほしい」と求めた。
渡久地政志北谷町長は「戦後の復興を図り、都市型観光地として発展してきた北谷の歴史がある。それをさらに加速させる手法を検討したい」と述べた。