また女性自衛官2人が性被害、2年以上経って…横領なども合わせて3等陸曹を懲戒免職の一方、詳細明かさない対応続ける

陸上自衛隊は、女性自衛官2人に対する性的暴行、部隊基金の横領などをしていたとして、31歳の3等陸曹の男を10日付けで懲戒免職としました。性的暴行は、発生から2年以上経っていますが、陸上自衛隊は、被害が明らかになった段階で、どんな対応をしたのかなど、公表しない対応を続けています。
懲戒免職になったのは、帯広駐屯地の第5旅団第4普通科連隊の31歳の3等陸曹です。
この3等陸曹による、女性自衛官2人に対する性的暴行… 2人は、どちらも3等陸曹の後輩で、1人目は、2020年12月22日、富良野市の部外宿泊施設で。 もう1人は、2週間後の2021年1月5日、官舎で被害に遭っていて、それぞれ同僚からの相談で発覚したとされています。 これに対し3等陸曹は、どちらも「同意を得たものだと思っていた」などと話しているということです。
陸自は、被害の相談は、いつだったのか? 相談から処分までの間、女性自衛官2人と3等陸曹にどんな対応をしたのか? 女性自衛官2人に、被害を公表する意向があったのか? 被害後も2人は職務を続けることができたのか?など、一切、明らかにしない対応を続けています。
3等陸曹は今回、慶弔や福利厚生用の部隊基金の横領、後輩隊員を指導の際の平手打ちなどの暴行も合わせての懲戒免職で、基金の管理を怠ったとして、他に10人が減給や戒告となりましたが、性的暴行で3等陸曹以外の処分はありません。
また、警察への届け出などについても、取材に対し「3等陸曹は、刑事処分を受けている」とだけしか話していません。
陸自の性被害をめぐっては、去年6月、元自衛官の五ノ井里奈さんが性的発言や胸を触られるなどの被害を実名で告発。 陸自は事実を認めて謝罪し、5人を懲戒免職とした他、訴えを受けたのに十分に調査しなかったなどとして、上官にあたる中隊長ら4人も停職などの処分としています。
陸自は、性被害に適切な対応をとっていると言えるのか…
第5旅団長の鳥海誠司陸将補は「国民の皆様、そして被害に遭われた隊員に深くお詫び申し上げます。今回の事案を極めて深刻に受け止め、ハラスメントは絶対に許さない、見逃さないという覚悟で、再発防止に全力で取り組みます」とコメントしています。