岸田首相が気合を入れる“外交ウイーク”が始まる。
16日は韓国の尹錫悦大統領が初来日。会談と夕食会の後に銀座でオムライスを食べる異例の“2次会”も予定されている。17~19日にはドイツのショルツ首相が来日。18日に首脳会談を行い、さらに岸田首相は19日から22日未明にかけてインドを訪問する予定だ。
注目は、この外交ラッシュ日程の合間にウクライナをサプライズ訪問する可能性があること。政治部記者の間で警戒感が高まっている。
「岸田首相が19日に日本の政府専用機でインドに向かったと見せかけて、ほぼ同じタイミングでショルツ氏が帰国する際のドイツ政府専用機にひそかに乗り込み、ポーランド入りするのではないかとみられているのです。ウクライナの首都キーウに行くには、米国のバイデン大統領と同様にポーランドから鉄道を利用することになる。
ドイツとポーランドは隣国です。18日からの飛び石4連休を使えば、国会審議への影響を最小限に抑えられます。20日(月曜日)は首相が出席する参院予算委員会の集中審議が開かれる可能性もあったのですが、開催が見送られる方向です」(民放キー局の政治部記者)
昨年6月にも、ドイツなどの協力を得てキーウを訪問するプランが検討されていた。ドイツとフランス、イタリアの首脳がそろってキーウに行った際に、岸田首相も便乗する計画があったのだ。独仏伊3カ国の軍や特殊部隊の警護があれば心強い。政府専用機をポーランドに飛ばす計画など、具体的な準備を協議したが、「国会への事前報告」が障壁になり、断念したという。
国会開会中に首相や閣僚が外国出張する場合、衆参の議院運営委員会に事前に報告する必要があるため、キーウ訪問を極秘に実現することは難しかった。今は与野党とも、安全確保上の観点からキーウ訪問は事後報告を容認する姿勢を見せている。
中国の後塵を拝することだけは…
岸田首相はG7で唯一、ウクライナを訪問してゼレンスキー大統領と会っていない首脳になったことを非常に気にしているという。
しかも、ここへ来て中国の習近平国家主席が来週にもロシアを訪問し、プーチン大統領と会談すると報じられた。その後にゼレンスキー大統領とも会談する見通しとされる。オンライン会談が濃厚だが、キーウ電撃訪問の可能性も捨てきれない。
「岸田総理は今年のG7議長国として、中国の後塵を拝することだけは避けたいと焦っている。19日からのキーウ訪問を極秘に進めていることは十分に考えられます。その場合、キーウからの帰途にG20議長国のインドに寄って、G7との連携をアピールするのではないか。インドでのG20外相会合を日本が欠席した非礼の穴埋めに、インドのモディ首相を5月のG7広島サミットに招待するつもりでしょう。いつ何があってもいいように我々も今週末から臨戦態勢です」(官邸関係者)
あとは岸田首相の覚悟次第だ。