企業の営業秘密を持ち出す不正競争防止法違反容疑での摘発が2022年は29件あり、統計のある13年以降で最多となったことが23日、警察庁のまとめで判明した。同庁は、企業が自社の営業秘密に対する防衛意識を高めていることや、雇用の流動化で転職が増えていることが背景にあると分析している。
警察庁によると、営業秘密侵害事件は増加傾向にあり、22年は13年(5件)の5・8倍となった。22年の検挙者は45人で、過去最多だった21年(49人)に次いで2番目に多く、相談は前年比1件減の59件だった。
営業秘密侵害事件を巡っては22年、大手回転ずしチェーン「はま寿司」の商品原価などの営業秘密を不正に入手したとして、競合他社の「かっぱ寿司」を運営するカッパ・クリエイトの前社長らが逮捕、起訴された。【松本惇】