旧優生保護法(1948~96年)下で行われた強制不妊手術関連の公文書の大半を非開示としたのは違法だとして、京都新聞社の記者が滋賀県の非開示決定の取り消しを求めた訴訟で、大津地裁(堀部亮一裁判長)は24日、県が非開示とした約320カ所中約220カ所の開示と約60カ所の一部開示を命じた。
滋賀県は記者の情報公開請求を受け、記録が残る10人に関する文書を開示したが大半が黒塗りだった。記者の不服申し立てを受け、県の第三者機関「公文書管理・情報公開・個人情報保護審議会」は2019年、個人の特定されない公益性の高い情報は公開されるべきだとして、手術対象者の年齢や病状、執刀医の氏名などを開示するよう答申した。しかし、県は再び該当箇所の大半を非開示としていた。
判決は、手術対象者の年齢▽病歴や生活歴などの情報の一部▽手術を行った医療機関名――などについて、記者が手術対象者の住所や氏名の開示は求めていないことなどから個人の識別や利益を侵害する情報ではないと判断した。一方、出生の秘密、異性関係や遺伝情報、家族の手術への意向は「個人の人格に関わり、厳に秘匿性が守られるべき情報」として、執刀医の氏名や個人識別につながる職業と合わせて公開できない理由があるとした。
原告側の浅井亮弁護士(京都弁護士会)は「生活歴の多くを開示としたのは評価できる。親がどういう思いで手術を求めたかや、異性関係が理由で手術に至ったと思われる方がおられる中、多くが非公開となったのは懸念が残る」と話した。京都新聞社の円城得之編集局長は「多くの項目で開示を命じたことは大きな前進と受け止めている」などとするコメントを出した。
滋賀県の三日月大造知事は「主張の一部が認められず残念だ。判決文を精査の上対応を検討したい」とコメントした。【菅健吾】