木村容疑者、安倍元首相「国葬」巡り政権批判…被選挙権訴訟の書面に記す

岸田首相の選挙演説会場に爆発物が投げ込まれた事件で逮捕された、無職木村隆二容疑者(24)が被選挙権を巡って起こした国家賠償請求訴訟で、昨年7月に銃撃されて死亡した安倍晋三・元首相の国葬の実施について政権を批判していたことがわかった。現行の選挙制度や政権への不満を募らせていたとみられる。木村容疑者は逮捕後の取り調べには黙秘している。
木村容疑者は昨年6月、参院選(7月10日投開票)に立候補しようとしたが、公職選挙法の被選挙権(30歳以上)を満たさず、300万円の供託金も用意できないため立候補ができないのは、憲法に反するとして、国に10万円の損害賠償を求めて神戸地裁に提訴した。代理人の弁護士をつけない「本人訴訟」だった。
岸田首相は安倍氏銃撃事件から6日後、政府主催の「国葬」の実施を決定。木村容疑者は昨年に提出した訴訟の書面で国葬に触れ、「世論の反対多数の中で強行した」と記していた。
木村容疑者は、安倍氏と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係にも言及。「組織票を持つ既存政党、政治家が選挙で有利となる」とし、立候補が制限されているとの自身の訴えと関連づけていた。
昨年11月の1審判決は、公選法の年齢要件や供託金の制度は合理性があるとして請求を棄却。木村容疑者はこの判決を不服として大阪高裁に控訴し、今年5月に判決が予定されている。