統一地方選の後半戦(23日に投開票)で、注目された奈良県生駒市長選は、無所属の現職で自民、立憲民主、公明、国民民主が推薦する小紫雅史氏が、日本維新の会公認の海豪うるる氏を破って当選を決めた。
同市長選が注目を集めたのは、前半戦で行われた奈良県知事選が保守分裂となり、日本維新の会の山下真氏が当選したため。この結果について、自民党奈良県連会長を務める高市早苗経済安全保障担当相に対しては「候補の調整ができなかった」と責任を問う声が上がったのだ。
実は生駒市長選に維新公認で出馬した海豪氏は、岸田文雄首相が誕生した2021年の自民党総裁選で高市氏の選対で広報担当をしていた人物。いわば高市氏の側近だったにもかかわらず、今回は〝寝返って〟維新から出馬したのだ。
高市氏にとっては〝飼い犬に手を噛まれる〟という状況だっただけに、もし当選されたら赤っ恥となるところだった。だが、これで晴れてひと安心というわけではないという。
実は奈良県では、23日投開票で河合町長選も「自民 vs 維新」という構図の一騎打ちとなった。こちらは維新の新人・森川喜之氏が、無所属の現職・清原和人氏を破って当選した。この町長選で高市氏は、清原氏の応援のため投票日前日の22日に現地入りしたが、あえなく落選となってしまったのだ。
この選挙は大接戦となり、得票数は森川氏が4608票に対し清原氏は4586票。わずか22票差での決着となった。
「投票日前日に高市氏が応援に入ったにもかかわらず、わずか22票差で負けたとなると、高市さんは奈良での影響力が低下していると言わざるを得ない」(事情通)
維新の公認候補が大阪以外の町長選で当選するのは初めてのこと。生駒市長選では、〝寝返った〟元側近の当選を何とか阻止できたが、自身が応援に入った河合町長選に敗れた高市氏。奈良県知事選に続く敗戦に、県連会長としての責任が問う声が上がるのは間違いなさそうだ。