トカラ列島近海で震度5弱「火山性ではない」「今後も続くおそれ」 専門家

今回、トカラ列島近海で起きた最大震度5弱の地震について、鹿児島大学南西島孤地震火山観測所・八木原寛准教授は次のようにみています。「特に火山性の地震活動を示すような波形は見えていない。断層のすべりで発生したと思っている。(トカラ列島近海では)4月1日から有感地震が起きていて、今後もこの活動が続くのではないか。落下しそうな物の点検・確認、がけ下の作業・滞在は、地震が来ることを頭に入れてほしい」■鹿児島地方気象台「当分の間、同程度の地震に注意」鹿児島地方気象台は午後6時半から会見を開いて、当分の間、最大震度5弱程度の地震に注意するよう呼び掛けました。「震源地によっては震度5弱以上の揺れもありうる」としています。また、雨が降っているため、揺れの強かった地域では落石やがけ崩れなどに注意を呼び掛けています。今回の地震のメカニズムについては、「陸のプレート内で発生した正断層型の地震」としています。■各地の震度は13日午後4時10分ごろ鹿児島県のトカラ列島近海を震源とする最大震度5弱の地震がありました。この地震による津波の発生はありませんでした。各地の震度です。震度5弱 鹿児島十島村震度3 屋久島町震度2 南種子町、奄美市震度1 西之表市、三島村、中種子町、南さつま市、鹿屋市、錦江町震源の深さは12キロ、地震の規模を示すマグニチュードは5.1と推定されています。トカラ列島近海を震源地とする地震は、その後も午後6時までにあわせて14回発生していて、震度1~3の揺れを観測しています。午後6時時点で十島村役場、警察ともに被害の情報は入っていません。■十島村役場は災害警戒本部を設置鹿児島市泉町にある十島村役場では、職員8人が情報収集にあたっています。十島村には7つの有人島があり、現地の職員が状況を確認しています。島全体で375世帯、676人が暮らしています。震度5弱の中之島には最も多い133人が暮らしています。■「最初はドン、地面が揺れた」震度5弱・中之島の様子は震度5弱を観測した十島村・中之島小中学校の児玉徹教頭は、「最初はドンという音がして、しばらくグラグラ地面が揺れているような感じ。15秒程度だった。体育館に(教職員・子どもが)5人いたが、壁から離れるように指導して、揺れおさまってから校庭に逃げた。夜にまた大きな揺れが来ないか心配」と話しています。■2021年には十島村で震度5強なお鹿児島県内で震度5以上の揺れが観測されたのは、2021年12月に同じくトカラ列島近海を震源地とするマグニチュード6.0の地震で、十島村の悪石島で震度5強を観測して以来です。