クレーン車倒れ、1人死亡=工事現場で3台下敷き―東京

東京都品川区大井の老人ホーム建設現場で16日午前10時ごろ、「20トンのクレーン車が倒れ、下敷きになった車に閉じ込められている人がいる」と119番があった。警視庁大井署員らが駆け付けたところ、敷地内や入り口付近に止まっていた工事関連車両3台が下敷きになるなどしており、1人が死亡し、1人がけがをした。
クレーン車の運転手は「つり上げた掘削機の移動中にバランスを崩した」と話しており、同署は業務上過失致死傷容疑を視野に詳しい事故原因を調べている。
同署と東京消防庁によると、死亡したのは敷地内で下敷きになったワゴン車の運転席にいた50代男性。入り口付近に止まっていた2トントラックの50代の男性運転手も足を挟まれるなどしてけがをし、病院に搬送された。ほかの1台に人は乗っていなかった。
敷地内には当時5~6人の作業員がいて、鋼材を打ち込むために地面を掘削する作業をしていた。荷物をつり上げた状態での移動は法令で原則禁止されているが、クレーン車は掘削機をつり上げたまま移動し、左に傾いて横転したという。
現場はJR大森駅から北に約800メートル離れた住宅街。周辺は規制線が張られ騒然としており、近所の住民はベランダから不安そうに状況を確認していた。
[時事通信社]