牛丼チェーンを展開する吉野家で、本社勤務の男性社員が上司に人事評価を改ざんされたと訴え、吉野家側が男性に謝罪して解決金を支払っていたことが24日、分かった。男性が加入する労働組合「東京管理職ユニオン」が記者会見を開いて明らかにした。
組合によると、男性は2021年10月、人事評価の自己評価欄の「B」という記述が「C」と低く書き換えられ、自由記述も一部削除されたことに気づいた。上司にメールで問い合わせると「(自己評価が)あまりにも甘すぎる」と返信があり、改ざんを認めた。他にも、同僚から語気を荒らげて叱責され、背中をたたかれることがあり、男性は休業を余儀なくされたという。22年1月に組合が吉野家側に団体交渉を申し入れていた。
吉野家側は男性の評価シートの修正がなされていたこと、語気の強い発言があったことを認め、今年5月、組合と和解協定書を交わした。組合員が会社に不信感を抱いたことを謝罪し、解決金を支払ったという。この他、ハラスメントの実態調査などの再発防止策を講じるとしている。
吉野家は24日、毎日新聞の取材に「相手があることで回答できない」とコメントした。
吉野家を巡っては昨年4月、常務取締役が営業戦略をめぐり若い女性を薬物中毒にするような表現をし、解任された。採用説明会に申しこんだ人を一方的に外国籍とみなして、参加を拒否する問題もあった。【奥山はるな】