足立区議選の立民候補・和田愛子氏、当選後に不祥事発覚で除籍処分に 選挙直前に「アニエスベー」の偽ブランド品販売で罰金刑

立憲民主党の公認候補として、今月21日投開票の東京都足立区議選で初当選した和田愛子氏(38)が偽ブランド品を販売したとして、警視庁が3月、商標法違反容疑で書類送検していたことが、捜査関係者への取材で分かった。東京簡裁は今月9日、同法違反罪で罰金20万円の略式命令を出した。和田氏はすでに罰金を納付したというが、事実が発覚したのは選挙後の24日で、多くの有権者は知らないまま投票していた。
驚きの不祥事は、朝日新聞が24日朝刊で報じ、報道各社が続いた。書類送検容疑は、昨年5月、人気ブランド「アニエスベー」の偽バッグ1点をフリマアプリで販売した疑い。8300円で売り、2100円余りの利益を得たという。
和田氏は報道のあった24日朝、立憲民主党に離党届を提出した。これに対し、同党東京都連は同日の緊急常任幹事会で、和田氏の離党届を受理せず、「公職の辞任勧告」と「除籍」を決定した。
都連の手塚仁雄幹事長(衆院議員)の事務所によると、都連が和田氏の不祥事を把握したのは22日。都連の処分はすでに和田氏に伝え、「重く受け止められるべきものだと考えています」と書面でコメントした。
不祥事を公表しないまま選挙で当選したケースとしては、2021年7月の東京都議選中、無免許運転で人身事故を起こした木下富美子元都議が思い出される。都議会は辞職勧告を2度決議し、木下氏は同年11月に辞職した。
和田氏はどう考えるのか。
夕刊フジは24日、和田氏に何度か電話したが応答がなかった。メールで「区議選で罰金を科せられた事実を公表したのか」「議員辞職の考えはないのか」などと質問したが、25日朝までに回答はなかった。
政治ジャーナリストの安積明子氏は「選挙前に事実を公表していたとすれば、有権者の投票意思は変わっていたかもしれない。選挙後に報道で発覚することが問題で、罰金の略式命令を受けた時点で本人が党に報告すべきだった。すぐに議員辞職(任期は26日から)すべきだ」と話した。