検察側「不合理な弁解、反省の態度ない」懲役18年求刑 弁護側「殺害の立証できていない」無罪主張 京都・井手町で交際女性を殺害したとされる事件

京都府井手町で2016年、交際相手だった女性を殺害した罪に問われている男の裁判員裁判で、検察は懲役18年を求刑しました。
起訴状などによりますと、井手町の無職・末海征河被告(26)は2016年10月、車の中で交際相手だった当時19歳の木村京花さんの首を両手で絞めて、殺害した罪に問われています。
末海被告は裁判の中で「京花さんが自殺した」などと無罪を主張していました。
20日の裁判では、木村京花さんの両親が法廷で意見を述べました。
京花さんの父親は京花さんについて、
「美容師になって自分の店を開くことが夢だった。最初のお客さんはおばあちゃんに来てもらいたいと言っていた」
と振り返り、
「京花が自殺したと話す被告は責任から逃れるための作り話。京花だけでなく、私たち家族のことも馬鹿にしている」
と怒りの気持ちをあらわにしました。
母親は、
「娘が遺棄されていた場所に行った。固く冷たい土の上で京花が何年も待っていたと思うと悔しい」
と涙ながらに話しました。
また検察は、
「京花さんに対しての不誠実な行動をかえりみず、いわば“逆ギレ”して犯行に及んだ」
と述べ、
「不合理な弁解を繰り返し、反省する態度は見られない」
として懲役18年を求刑しました。
一方、弁護側は、
「被告が殺していないと説明がつかない事実はない。客観的な真実はわからないが、(検察官は)殺害されたという立証ができていない」
と無罪を主張しました。
裁判長から最後に言いたいことはないかと求められた末海被告は、
「(京花さんから)家の状況の話を聞いていて、(自殺の)理由というか、そういうのも考えられるんじゃないかという気持ちもありますね」
などと、時折言葉を詰まらせながら話しました。
判決は7月5日の予定です。