1966年に静岡市(旧静岡県清水市)で一家4人が殺害された事件で死刑が確定し、今年3月に裁判のやり直しが決まった袴田巌さん(87)の再審に向けた裁判所と検察、弁護団による3回目の三者協議が20日、静岡地裁であり、検察側は裁判での立証方針を示さなかった。
弁護団によると、地裁が弁護側と検察側の双方に7月10日までに冒頭陳述の案を出すように要請したが、検察側は合意していなかったという。
また証拠調べの進め方を決めるため、新たに9月12日、同27日、10月27日に三者協議を実施することが決まった。弁護団の小川秀世・事務局長は「年内にも無罪判決を出すために、公判期日を先延ばしにしたくない」と語った。
協議では、弁護側が冒頭陳述で、袴田さんの無罪に加え、5点の衣類などの証拠が捏造(ねつぞう)だと主張する案を示した。
検察側は7月10日までに立証方針を示す見通し。4月の第1回の協議で検察側は、再審での具体的な立証方針を示すのに3カ月の期間を求め、地裁はこれを了承していた。次回の三者協議は7月19日に開かれる予定。【丘絢太】