東京都東久留米市はホームページで、一部の消防団で不適切な行為があったと公表した。毎日新聞の報道を受けた実態調査で、バスに女性コンパニオンを同乗させていたことなどが確認されたという。
毎日新聞は4月8日、目的は女性接待付き旅行? 消防団員の報酬、団が勝手に引き出しを配信。情報提供窓口「つながる毎日新聞」に寄せられた投稿を基に取材した記事だった。
市は報道を受けて、消防団の本部と10分団を調査。1分団が2017、19年度に実施した研修旅行で、目的地に向かうバスにコンパニオンを同乗させていたことが判明したという。
研修旅行は1泊2日で、東京都立川市の立川防災館や茨城県内の宇宙航空研究開発機構(JAXA)関連施設の視察が目的だった。市は団員1人につき5000円の交通費を補助しており、分団側は計14万5000円を市に返還した。
また、この分団を含め計2分団で、団員への報酬を一括管理し、実質的に団員が報酬を受け取れない状態になっていたことも確認された。いずれも4月までに是正されたとしている。
毎日新聞は、研修先のホテルでコンパニオンが参加する宴会が開かれたとも報じたが、市防災防犯課は「宿泊費は団員個人の支出なので、調べる必要がない」として調査の対象外とした。
一連の問題を巡り、富田竜馬市長は消防団長を口頭で注意したという。市は6月5日、ホームページで「消防団分団の不適切な行為により地域消防の信頼を損ねる結果となりましたことお詫び申し上げます」と謝罪した。【金森崇之】