岸田文雄首相は21日夕、首相官邸で記者会見し、現行の健康保険証を廃止してマイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」に切り替える方針について「国民の不安を払拭(ふっしょく)する措置の完了が大前提だ」と表明した。健康保険証の廃止時期を2024年秋とする現行方針は維持する姿勢を強調。トラブルが続くマイナンバー制度に関し「政府全体で総点検と再発防止を強力に進める」と決意を語った。
マイナ保険証への一体化では、健康保険証を24年秋の廃止後も最長1年間は使える特例措置がある。首相は「25年秋までの猶予期間を活用し、国民の不安を払拭する」と説明した。
これに先立ち、政府は官邸で「マイナンバー情報総点検本部」の初会合を開催。首相はこれまでに誤りが確認されたデータを含め、マイナカードの個人向けサイト「マイナポータル」で閲覧可能な全29項目の情報について、秋までに点検を完了するよう指示した。その上で「新型コロナウイルス対応並みの臨戦態勢で、国民の信頼を一日も早く回復すべく、政府や自治体が一丸となって全力を尽くしてほしい」と強調した。
[時事通信社]