令和3年8月、小田急線車内で乗客を刃物で刺したとして、殺人未遂などの罪に問われた対馬悠介被告(37)の裁判員裁判の第3回公判が29日、東京地裁(中尾佳久裁判長)で開かれ、被告人質問が行われた。対馬被告は、電車で人を殺す計画について「(犯行の)1~2カ月前から考えていた」と話した。
被告は勤務先を退職したことに伴い、同年3月から生活保護を受給。「周りの人は何不自由なく暮らしているのに自分だけが不幸な気がして、世の中への憎しみに変わっていった」とし、東京・渋谷のスクランブル交差点に爆弾を落とすことなどを「考えるようになった」と明かした。
事件当日の昼頃、被告は新宿区の食料品店で万引しようとして見つかり、警察に通報された。この際の従業員の対応が「屈辱的」だったため、帰宅後、「店に行って店員を皆殺しにしよう」と考えたが、閉店時間が迫っており、電車内で人を刺したりすることを思い立ったという。
一方、逮捕後に被害者らの調書を読み「多くの人を傷つけたと実感し、申し訳ない気持ちになった」とも説明。「被害者の望む判決を下してもらいたい」と話した。