東京都世田谷区などを走行中の小田急線車内で2021年8月、乗客3人を刺して殺害しようとしたとして、殺人未遂罪などに問われた対馬悠介被告(37)の裁判員裁判の公判が3日、東京地裁(中尾佳久裁判長)であり、検察側による被告人質問が行われた。対馬被告は「1人刺しても何人刺しても捕まることは変わりない。たくさん刺して捕まった方が得だと思った」と述べた。
対馬被告は検察官から、具体的に何人を殺害しようとしたのかと問われると、「何人というのはないが、悔いが残らないようにベストを尽くしたいと思っていた」と答えた。大量殺人をすることで「世の中への恨みや理不尽を発散できると考えた」と述べ、犯行後に乗客が悲鳴を上げて逃げる姿を見て「映画の主人公になったようで気分爽快だった」と振り返った。
電車内で犯行に及んだ理由については「密室で逃げ場がなく、邪魔が入らないのでマイペースに人を刺せると思った」と説明。「乗客はスマートフォンばかりいじっているので狙いをつけた」と語った。
約3か月後の同年10月31日に京王線で刺傷事件が起きたことを知ったときには、「先駆者になったと思った」と明かした。