2022年7月に名古屋市中川区で、車で赤信号を無視して自転車の専門学校生をはねて死亡させた罪に問われた当時18歳の男の裁判で、名古屋地方裁判所は懲役9年の判決を言い渡しました。
起訴状などによりますと、中川区に住む19歳の無職の男は、18歳だった2022年7月に中川区内で乗用車を運転中、赤信号を無視して時速110キロあまりで交差点に進入し、自転車で横断歩道を渡っていた17歳の男子専門学校生をはねて死亡させた危険運転致死の罪に問われています。
裁判では検察側が懲役11年を求刑する一方、弁護側は脇見運転で赤信号に気付くのが遅れたもので、危険運転致死の罪には当たらないと主張していました。
12日の判決公判で、名古屋地裁の大村陽一裁判長は「信号が赤だと認識していたのは明らか」と危険運転致死の罪を認定した上で「交通法規を軽視する姿勢が顕著で、このような運転態度によって起こるべくして起きた事故だと言え、厳しい非難に値する」と指摘。
男に懲役9年の判決を言い渡しました。
判決を受けて被害者の両親は…。
(被害者の母)「9年は短すぎる」
(被害者の父)「ずっとつらい。そんな思いをしながら判決まで来た。まさか9年…納得いかない」
裁判の審理に携わった裁判員は…。
(裁判員)「若さゆえの行動だったのか、すごく悩んだ」「少年法からは外れるということで、通常の判断で罪に見合った刑を、と考えて挑んだ」