学童クラブが売却したいわゆる「検温カメラ」に児童らの画像3700枚余りが残ったままだったことがわかりました。 カメラに顔を近づけると「36.4℃」などと表面温度が表示される「サーマルカメラ」。コロナ禍で様々な施設に設置されて日常の一部になったとも言えます。しかし、コロナが5類に移行された中、使われなくなったものなのでしょうか、フリマサイト上ではサーマルカメラが大量に出品されています。実はこうした売却の際、検温時に撮影された顔の画像が流出するおそれがあると指摘されています。 7月12日、取材に応じてくれた札幌学院大学の職員・原田寛之さん。こうした指摘があることを知り、今年5月、フリマサイトに出品されていたサーマルカメラを調査目的で購入したといいます。すると…。 (札幌学院大学・情報処理課 原田寛之さん) 「子どもがのぞき込んで顔を合わせている画像がいっぱいあった。大体3700枚くらい写真が残っていた」 カメラに保存されていたのはランドセルを背負った児童らの顔画像3700枚あまり。画像とともに撮影時刻や体温なども記録されていたほか、制服や校章などから学校も特定できる状況だったということです。 (札幌学院大学・情報処理課 原田寛之さん) 「日時も全部記録されるので、ひとりひとりのある程度の行動パターンまで見えてしまう。もっと容易に特定できてしまうかもしれない」 カメラを売却したのは大阪市内の学童クラブでした。学童クラブによりますと、サーマルカメラは2021年3月~2023年3月まで使用していたもので、古くなったため売却。学童クラブは「画像が残るとは知らなかった」としています。カメラは札幌市の男性から買い戻した上で、購入にあてた市の補助金も返還したということです。 大阪市の横山英幸市長は今回の件について次のように話しました。 (大阪市 横山英幸市長) 「住所や氏名までは出ていないものの、保護者は嫌だと思いますので。再発防止という意味で全事業者に周知します」