袴田巌さん再審で姉・ひで子さんが近況語る「巌はまだ妄想の世界にいます」

1966年に静岡で一家4人を殺害したとして、死刑が確定した袴田巌さん(87)の裁判をやり直す再審公判が決定したことで、袴田さんの姉のひで子さんと袴田事件弁護団の事務局長を務める小川秀世弁護士が25日、日本外国特派員協会で会見した。
今年3月に東京高裁が再審開始を認めたが、検察側は争う姿勢を見せている。小川氏は改めて、決定的証拠とされる5点の衣類が捏造されたことを示したうえで、「この事件は警察が最初から袴田さんが犯人でないと知りながら、真犯人を逃がすために証拠の捏造をして、犯人に仕立て上げたひどい事件。早く袴田さんに無罪の判決を聞かせてあげたい」と話した。
袴田さんは48年に及ぶ拘留と死刑執行の恐怖から拘禁症状を起こし、健康状態が不安視されている。
ひで子さんは「巌はまだ妄想の世界にいます。裁判はもう終わったと言っているんです。裁判のことは一切話をしておりません。ちょっと血糖値が高いぐらいで、ほかの病気はあまりない。一応元気でございます」と話し、ドライブに連れて行ったりしているという。
再審公判では無罪判決が確実視される中、ひで子さんは「(無罪判決で)ぱっと妄想の世界から抜けてほしいと思っている」と期待を寄せた。