台風7号の影響で、関西各地で10人以上の負傷者が確認され、和歌山市では60代男性が建物の外壁に挟まれ意識不明の重体となった。京都府北部では河川の氾濫や土砂崩れなどの被害も相次ぎ、同府福知山市などでは住民約60人が孤立している。
京都府綾部市によると、市内を流れる犀(さい)川と西方(にしかた)川が越水し、床上・床下浸水被害が発生。70代の女性が消防団のゴムボートで救出された。同市篠田町では裏山が崩れて土石流が発生したが、民家の直前で止まったため、けが人はなかった。
現場近くに住む農業、相根一雄さん(75)は「あり得んことが起こった。農機具小屋が壊れて中の機械が全部やられ、車も被害にあった」と肩を落とした。
福知山市でも河川の氾濫や土砂崩れが複数箇所で発生。一部地域では土砂が道を塞ぎ、15日午後4時時点で計27世帯51人が孤立している。京都府舞鶴市では市内を流れる伊佐津川にかかる自転車・歩行者用の境谷橋(さかいだにばし)の一部が損壊した。
大阪府や地元消防によると、府内では男女8人がけがをした。堺市中区では建物のひさしが風にあおられて落下し、挟まれた70代女性が軽傷。豊中市では70代女性が強風で転倒し、太ももを骨折した疑いがある。和歌山市では重体の男性を含む男女3人が負傷し、京都府では男女5人が軽いけがをした。
また、奈良市内のゴルフ練習場では強風にあおられたとみられるネットが柱ごと倒れ、別の建物の解体工事現場では足場が崩れる被害があった。いずれもけが人はいなかった。
能勢電鉄の笹部(兵庫県川西市)―光風台(大阪府豊能町)間では走行中の電車が倒木と接触し、一時運転を見合わせた。