ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザでは、イスラエルによる地上戦が拡大し、民間人も巻き込まれている。一方、ハマスと戦闘を続けるイスラエル軍に息子を送り出し、無事を祈る親の中には日本人の男性もいる。
<戦地に出動するよ>
ハマスの越境攻撃があった7日、中部テルアビブに住む平林裕介さん(48)のスマホには、兵役に就く長男(19)からメッセージが届いた。「やはりそうか」。冷静に受け止めた。
イスラエル人の元妻との間に生まれた長男は昨年12月、陸軍に入隊し、精鋭が集まる 空挺 (くうてい)部隊に所属している。ハマスに襲われた地域でテロリストの捜索にもあたったという。
ガザ地区との境界付近の警戒任務にも就いていると知り、平林さんは<一般市民は殺さないように>とメッセージを送った。<もちろん。我々はやつら(テロリスト)とは違う>と返ってきた。
長男から今後、ガザ地区に入る可能性があると聞かされ、「 復讐 (ふくしゅう)心にとらわれず、どんな状況でも道徳観を忘れずにいてほしい」と伝えた。
平林さんは「19歳の息子が、なぜ戦場の光景を見なくてはいけないのか、という思いがある。日本では自分の子が戦争に行くことなど考えられないが、世界にはそうした現実があることも知ってほしい」と語る。