北海道南部の福島町などにまたがる大千軒岳。 午後0時半ごろ、道の防災ヘリが標高600メートル付近で倒れている人を見つけました。
警察によりますと、遺体は若い男性とみられ、その場で死亡が確認されました。 全身に激しい損傷がみられたといいます。
大千軒岳では、先月29日から函館市に住む20代の男性の行方が分からなくなっていて、警察などが1日から捜索していました。 遺体が見つかった場所から数十メートル離れたところでクマ1頭の死がいが見つかりました。 また、遺体のそばでは、行方不明の男性の運転免許証が見つかっていて、警察は遺体と函館市の男性との関連に加え、クマに襲われた可能性もあるとみて調べています。 同じ大千軒岳では先月31日、大千軒岳に登っていた男性3人のグループがクマに襲われ、2人がけがをしました。
声を出して威嚇してもクマは近づくのをやめず、男性に「馬乗り」になって首や太ももを噛みました。 一緒にいた別の男性が持っていたナイフをクマの目に刺したところ、今度は、その男性に馬乗りに。
「死ぬかもしれない…このままじゃやられる。一か八か首にナイフを刺そう」
そう思った男性はクマの首のあたりをナイフで刺したところ、追い払うことが出来ました。 襲われた3人…実は、クマよけの鈴や火薬など、十分な対策をして山に登っていました。 しかし、なぜ襲われたのか、専門家は。
酪農学園大学 佐藤喜和教授 「そのクマが人に対して強い興味を持っていたとか、通常とは違った状況があったのかもしれない。鈴の音が聞こえてきているのにもかかわらず、寄ってきたのかどうかはわからないかもしれない。時間的なところとか、周囲の状況ですとか、あわせて考えないといけない」
長く有効とされてきた、鈴や声でクマに対して人間の存在を知らせる方法。 それがかえって、クマへの刺激になった可能性を指摘します。 では、クマからどう身を守るべきなのでしょうか。
酪農学園大学 佐藤喜和教授 「クマにあったらどうするかということに正解はない。子グマが近くにいたり、大切なエサを持っているクマは、あっちに行ってくれという意味で走る威嚇行動をとる。決して直接攻撃しようと思っているのではなく、威嚇のためにだだだっと走ってピタッと止まる。そういう場合にはゆっくり離れていくのが基本」
クマとどう共存するか、その難しさをあらためて知る事例となりました。