陛下に手紙手渡し、母親入場拒否され大声‥園遊会、過去に複数の議員トラブル

天皇、皇后両陛下が主催される秋の園遊会が2日、東京・元赤坂の赤坂御苑で開催され、国会議員を含む各界を代表する招待者が両陛下や皇族方を囲んで和やかなひとときを過ごした。今年はつつがなく終えたようだが、過去を振り返ると、陛下に直接手紙を渡すという「天皇の政治利用」につながりかねない行為を働いた国会議員もいた。
平成25年10月の園遊会で、天皇陛下(現上皇さま)に直接手紙を渡したのは、無所属の山本太郎参院議員(現れいわ新選組代表)だ。
招待された山本氏は、陛下が招待者の並ぶ列を回って来られた際、折りたたんだ手紙を手渡した。陛下は受け取り、そばにいた侍従長に渡された。園遊会後、山本氏は記者団に、手紙には東京電力福島第1原発事故を巡る健康被害などを記載したと明かし、陛下に対しては「子供たちの未来が危ない。健康被害が出ている」と話しかけたが、お答えはなかったという。
園遊会は国政の権能を有しない天皇が国民統合の象徴として、各界の代表と会われる場で、出席者は極力、政治的な話題を避けるのが常識である。また、原発事故の処理を巡り国会の内外で議論されている中、原発事故の窮状を陛下に直接訴えれば、陛下の政治利用に当たりかねない。山本氏は参院議長から厳重注意を受け、任期中の皇室行事への出席を禁じられた。
当時、山本氏は同年7月の参院選で初当選したばかりの1年生議員。憲法における天皇陛下の位置付けを理解していなかったのかもしれない。山本氏も後年、「思慮深さが足りなかった。身勝手な行動だった」と振り返っている。何より、原発事故を起因とする子供たちの健康被害は10年たった今も確認されていない。陛下をミスリーディングさせかねない行為だった。
陛下に「直接手渡し」といえば、10月の臨時国会で額賀福志郎衆院議長が式辞を手渡してしまうミスも話題になった。
額賀氏は10月20日、今国会の開会式で衆参両院を代表して開会の式辞を述べ終えた際、演壇を立ち去るはずだったが、背後の壇上に座られた陛下に向かい階段を上がり、自身が読み上げた式辞の紙を差し出してしまった。前代未聞の段取りミス。議場はどよめき、額賀氏も直後、宮内庁に謝罪した。
額賀氏は自身が衆院議長に選出されたばかりで、前日に本会議場で予行演習を繰り返し、当日も机上で手順を確認したというが、陛下を前にして頭が真っ白になったようだ。
園遊会を巡る国会議員のトラブルには、自民党の豊田真由子衆院議員(当時)が26年4月の春の園遊会で、招待されていない母親を連れてきたケースもある。園遊会の招待者は各界の功労者と配偶者に限られる。豊田氏は母親の入場を拒否された際に大声を上げて抗議し、皇宮警察が出動し、後に宮内庁が衆院にルールの周知徹底を求める事態となった。(奥原慎平)