万博費用膨張、吉村知事が陳謝 25年ぶり開催の府議会全員協議会で

2025年大阪・関西万博の会場建設費が最大2350億円に上振れすることを大阪府が受け入れたことを受け、府議会は10日、全員協議会で質疑を行った。吉村洋文知事は万博を運営する日本国際博覧会協会(万博協会)の副会長の立場を踏まえ、「予算の執行状況の確認が不十分だったことはおわびする」と改めて陳謝した。
会場建設費は20年12月に1250億円から1850億円に増額された。今回は、必要額を精査するよう協会が政府から指示を受け、さらに500億円の上積みが必要と10月に公表した。建設費は国、大阪府・市、経済界が3分の1ずつ負担するルールで、吉村知事は1日、横山英幸大阪市長とともに再度の増額を受け入れた。
吉村知事は答弁で「想定を上回る物価上昇があった。国も機運醸成などにしっかりと取り組むと説明している。協会副会長の立場から予算の執行管理に努める」と理解を求めた。
協会の高科淳副事務総長は予算執行状況を定期的にホームページで公表することを明らかにし、「増額が今回で最後となるように取り組む」と強調した。
大阪維新の会の議員は協会役員の報酬カットに加え、「万一、これ以上の増額があれば国の責任で対応していただきたい」と要望。公明党議員は「協会副会長である知事がもっと早い段階で執行状況の報告を受けるべきだった」と苦言を呈し、自民党議員は「国でも機運醸成に取り組んでいくことが確認でき、これ以上の増額も想定されておらず、全体としてやむを得ない」と述べた。
府議会の全員協議会は1998年に関西国際空港の陸上飛行ルート導入を巡って開催されて以来25年ぶり。【井上元宏、戸田紗友莉】