逮捕されたバイク販売会社社長の “言い訳” 電話 「返金したいし念書も送る」と大声で笑った

税金の滞納を隠して融資を受けた詐欺の疑いで、名古屋のバイク販売会社の社長が逮捕された事件。この会社ではバイクの納車トラブルが相次いでいましたが、社長は客に対して「必ず返金する」と説明していました。
逮捕された「アサダモーターサイクル」社長の朝田理(あさだ さとし)容疑者(37)はことし2月、税金の滞納を隠して銀行から5600万円の融資を受けた詐欺の疑いで11月10日、送検されました。
客がバイクを購入した際に撮影した、名古屋市港区の店舗の中の様子には、バイクや部品が並んでいます。現在は休業中で、シャッターが閉まっているこの店ではあるトラブルが…
(請井敏希さん)「詐欺だと思っている」
愛知県豊橋市に住む請井敏希さん(27)。おととし8月にバイクを購入し、約430万円を支払いましたが…
(請井さん)「『まだ納車日が決まらない』『社長に聞かないと分からない』そんな話ばかり。何度も連絡していたのに」
1年以上経っても納車されなかったため、返金を求めた請井さん。朝田容疑者からは電話で「営業担当の従業員が辞めたことで契約の管理ができなくなった」と説明されたといいます。
返金を求める電話では…「ぶっちゃけ結構エグいなと思っている」
(2人の電話のやり取り)
(朝田容疑者)「ぶっちゃけ(辞めた従業員が)やっちゃったこと。結構エグいなと思っているので、僕らとしても返金はしたいですし」
(請井さん)「あいまいな回答ばっかりなので、(社長から)連絡くださいと言っていた」
(朝田容疑者)「ぶっちゃけた話をすると(返金希望は)15件くらいあるので、15件ガンガン僕に電話をかけてきたら僕本当に訳わからなくなっちゃう。アハハハハ」
(請井さん)「わかりますよ。お忙しいと思うので…」
(朝田容疑者)「お金をつくるのは、今ぶっちゃけ僕しかないので、僕がお金をつくることに専念するのが一番いいと思う。なるべく早く(返金の金を)お渡ししますし、『ことし3月末には間違いなく(返す)』と僕のハンコのついた念書も送らせていただきます」
「ことし3月末までに返金する」と念書を交わしましたが、これまでに返金はありません。
警察によりますと、この店の納車トラブルを訴える人は全国に約90人、支払われた総額は、約2億9000万円にのぼります。
朝田容疑者の会社「アサダモーターサイクル」は資金繰りが悪化し、自転車操業の状態だったということで、警察は強引に事業を継続させようとしていたとみて調べています。