阪神・オリックス優勝パレード費用「5億円」寄付が伸び悩み…そして結局“中抜き”に消える?

阪神、オリックス両軍の優勝を祝う合同パレードが11月23日の勤労感謝の日に大阪と兵庫で開催される。費用はプロ野球では最高額の5億円。大阪の吉村洋文知事(48)は「パレードに公費は投入しない」と明言しており、クラウドファンディング(民間寄付)と企業協賛で賄う意向だ。だが、その金額が少し伸び悩んでいる。
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阪神日本一の翌日、吉村知事はXに「阪神、本当に強かった。パレード寄付は1日で400万円増↓現在6922人もの方から合計5333万6000円ものクラファンを頂いています」と投稿していた。目標額5億円の11%にも満たないが、どこか自信満々だ。
一方、共同開催の兵庫県の斎藤元彦知事(45)は「5億円の目標達成に向けて正直なところ苦戦している」と冷静に現状を分析。話を盛らないところは、むしろ好感が持てる。それに対して吉村知事の根拠のない自信が心配でならない。
「2013年の楽天の日本一を祝うパレードも、寄付が集まらずに苦戦しました。開催1週間前の時点で、目標額の9120万円(総経費は1億5400万円)にほど遠い約3000万円。ところが、その苦戦ぶりを報道で知った仙台市民や楽天ファンから土壇場で寄付が集中し、最終的には1億2500万円と、一転して約3400万円の“余り”が出たのです。阪神・オリックスの寄付額もそうなるといいのですが」(ジャーナリスト・中森勇人氏)
■大阪万博を盛り上げたいのがバレバレ
吉村知事も正直に「困ってます」とアピールすればいいのだが、楽天と違って目標金額が5億円と高い点がかなりネックになる。
しかも、今回の優勝パレードのサブタイトルは「2025年大阪・関西万博500日前!」。プロ野球の応援というより、万博PRのためという意図が透けて見える。万博は今や近畿圏の人もソッポを向き始めているだけに、寄付額が伸び悩んでいる一因とも考えられる。
クラファンのトラブルの多さもネックに
また、今回の寄付はレディーフォー(READYFOR)という業者を通じて「クラウドファンディング」で行われている。通称クラファンは、寄付をSNSで募るもので、これまでの国内最高額は約5.7万人から9.2億円の支援を集めた「国立科学博物館プロジェクト」。2位は約2万人から約8.7億円を集めた「新型コロナウイルス感染症:拡大防止活動基金」だった。実は、国立科学博物館の寄付を手がけた業者というのがレディーフォーで、今回の優勝パレードの関係者たちが「5億円くらいならいけるかも……」と捕らぬたぬきの皮算用をしても不思議ではない。