《日本大学に新たな問題浮上》歯学部付属歯科病院の備品を「メルカリ」で売却“疑惑の看護師“が退職していた! 大学は取材に「事実関係を照会中」

日本大学歯学部付属歯科病院に勤務する看護師が、病院の備品をフリマアプリ「メルカリ」に出品し、その後、退職していたことが「 週刊文春 」の取材でわかった。日大はこの事案を公表しておらず、取材に対して「事実関係を照会中」としている。
アメリカンフットボール部の違法薬物問題への対応が批判されている日大。
「早い段階で複数の生徒が大麻を使用していたことが分かっていながら、問題を隠蔽し続けました。大学の甘い見通しが次々に露呈し、調査報告でも『事実を矮小化』『隠蔽体質』と厳しい言葉が並びました」(全国紙社会部記者)
混乱への対応に追われる中、日大は全く別の新たな問題を抱えていた。
日大歯学部付属歯科病院に勤務する看護師のAさんが退職したのは今年9月末のことだった。病院スタッフによると、Aさんは「管理職を務めていたベテラン」。今年3月に管理職に就いたばかりだった。ところが、わずか半年で突如、辞めたという。理由として「親の介護」を挙げていたというが……。
「ウチは介護休暇も取れるはず。この辞め方には違和感しかありませんでした」(前出・病院スタッフ)
後任の管理職も決まらぬまま、逃げるように辞めていったAさん。実はその裏には“ある疑惑”があった。病院の関係者が明かす。
「少し前、治療で歯の研磨などに使うハンドピースという器具が大量に紛失するという事態がありました。少なくとも100本ほど。実はAさんがフリマアプリ『メルカリ』でハンドピースを売っていたようなのです」
元検事で弁護士の若狭勝氏が解説する。
「こうしたケースは窃盗罪に抵触する可能性があります。10年以下の懲役または50万円以下の罰金です。仮に看護師が単独で備品を管理していれば業務上横領に当たる。職員が備品を盗んだ場合、国公立大学のように私立大学には告発義務はありませんが、公にする道義的責任があります」
だが、日大はAさんを処分することなく、「自己都合」での退職ということになった。
11月5日、すでに別の病院で勤務を始めていたAさんを自宅で直撃した。
今年9月に病院を辞めたか。
「辞めました。家の都合で」
病院の備品を……。
「(質問の途中で)いや、全然」
ハンドピースをメルカリで売っていた、と。
「どうしてそんな話になってるんだろう」
ハンドピースがなくなっているが。
「そう。ハンドピース以外にも備品がなくなっているって話は確かに出ていたので、そこは今後どうやっていくかっていう話で元々やっているところでした」
ハンドピースがなくなっていることは認めたものの、自身の関与は頑なに否定するのだった。
11月6日、改めて日大の本部に事実確認を求める質問状を送付した。すると、広報部広報課から以下の回答があった。
「当該学部に事実関係を照会中です。現時点で回答の目処がたっておりません」
その後、記事を配信した11月12日時点でもまだ回答は寄せられていない。
日大歯学部付属歯科病院で何が起きているのか。現在配信中の「 週刊文春電子版 」では、優秀な看護師だったというAさんの評判、備品がメルカリで売られていることが発覚した経緯、Aさんとの詳しい一問一答などを詳しく報じている。
(「週刊文春」編集部/週刊文春)