“税金滞納”だけじゃない「駐車場も滞納」「シートベルトしない」「急にキレ始める」と元秘書 神田憲次財務副大臣が辞任【Nスタ解説】

税金の滞納を繰り返したなどとして、国会で追及を受けていた神田憲次財務副大臣が辞任しました。
かつて公設秘書をしていた男性に話を聞くと…
“税金滞納”だけじゃない 「駐車場料金も滞納」「シートベルトしない」と元秘書
辞任が決まり、午後3時半ごろ、財務省をあとにする神田副大臣。
神田憲次財務副大臣「今、私の問題でこれから先、国会の審議に影響を及ぼすことは避けたいと思いますし、私の問題が大事な大事な国会にご迷惑をおかけすることになることを避けたい。政治家として説明責任は果たして参ります」
神田財務副大臣をめぐっては、税金の滞納を繰り返し、代表取締役を務める会社の建物などが過去に4度、差し押さえられていたことがわかっていますが、それ以外にもいくつかの疑惑が出ています。
かつて公設秘書をしていた男性は、神田氏について・・・
元公設秘書「もうルーズなんですよね。お金に対して、時間に対して、全てルーズなので、大家さんが駐車場の家賃の支払いができていないということで事務所に来たり、何か月かお金もらってないよ的な」
税金だけではなく、駐車場の料金も滞納していたというのです。
神田氏の事務所に質問状を送ったところ、こんな回答が返ってきました。
「地元事務所担当者に確認したところ、駐車場の支払いをまとめて支払うことはあるとのことです」
事務所側によりますと、駐車場代については2か月分、もしくは4か月分をまとめて払っていたということです。
さらに、元秘書の男性によりますと、神田氏の趣味だという車をめぐってこんな疑惑も…
元公設秘書「シートベルトはしません。速度超過も当たり前。前詰めたりとか、今で言うあおりとか。立法をつかさどる人、国会議員が道路交通法違反してどうするんだと」
神田氏自らがハンドルを握る車に同乗した際、こうした様子を目撃したということです。
これも事実かどうか事務所に質問したところ…
「車の運転には注意をしていますが、今後もさらに注意をしてまいります」
神田氏に仕えるのは「とにかくしんどかった」と元秘書の男性は話します。
「急にキレ始める」「1年もつ人ほとんどいない」
元公設秘書「基本的にみなさんすぐ辞めちゃう。1年もつ人はほとんどいない。仕事のやり方が間違っているとか、これじゃダメだろうとか急にキレはじめるというのは多々あった。国会で立法に携わる仕事はすべきではないと思いますね」
結局、副大臣を辞任することになった神田氏。
政府関係者によりますと、後任には自民党の赤沢亮正政調会長代理をあてる方針を固めたということです。
立憲民主党泉健太代表「辞任は遅すぎる。当然であるけれども遅すぎますね。総理には改めて、全ての副大臣政務官、もう一度チェックをしてもらう必要がある」
内閣改造後に政務三役が辞任するのはこれで3人目。岸田内閣の支持率が過去最低を記録する中で、より一層の打撃となります。
良原安美キャスター:税金の滞納を繰り返していた神田財務副大臣が13日午後、辞任しました。
神田副大臣は自民党安倍派の衆議院議員で税理士でもあります。1991年に税理士登録、2000年に事務所を開業しています。2012年に衆院選初当選し、2023年9月に財務副大臣に就任しました。
繰り返し税金を滞納し過去に4度、会社の建物などを差し押さえられています。
他にも道路交通法違反の疑惑があります。元公設秘書にお話聞くと、神田氏は車が趣味で自ら運転することもあり、その際には▼シートベルトをしない、▼速度超過は当たり前、▼“あおり運転”をすることも。
元公設秘書は「立法をつかさどる人・国会議員が道路交通法違反をしてどうするんだ」と話されていました。
そもそもなぜ副大臣に起用されたのか?
日比麻音子キャスター:官邸で取材をする川西記者と中継が繋がっています。そもそもなぜ、9月の内閣の改造において、神田氏が起用されたのでしょうか?
TBS政治部官邸キャップ 川西全記者:副大臣や政務官の人事は、各派閥が「こういう人にやらせてほしい」と推薦をして、それを官房長官が取りまとめる形で決定します。今回の人事も、いったん官房副長官が決めて、それを最終的に松野官房長官がゴーサインを出したと聞いています。
こういうやり方ですと、閣僚の場合は、総理が自ら一定の身体検査などを行って決めますが、それに比べて副大臣や政務官の人事はチェックが甘くなる要素があるのではと思います。
もう一つ、神田氏自身が税理士という肩書きを持っていて、財務金融方面での政策に携わる機会も多かったと聞いています。かつ、安倍派の関係者によると「本人も財務副大臣になりたいと希望していた」ということで、こういったことから選ばれたのではないかと見られています。
日比キャスター:“チェックが甘い”ということですが、4度も差し押さえられる。あまりに不適切ですし、こういった重要な情報は把握できないものなのでしょうか?
川西記者:税に関わる話なので、なかなかチェックができなかったところもあったのだと思います。
一つは、官邸としても守りたかったところがあったのだと思います。内閣改造は9月に行われましたが、山田太郎前文科政務官、柿沢未途前法務副大臣の2人が相次いで辞めることになりました。次に辞めると3人目ということで、これではペースが早すぎるんじゃないか、こうした危機感が官邸サイドにありました。
もう一つ、官邸サイドとして、線引きではないですが、山田氏・柿沢氏は刑事事件に発展する可能性があったので、「これはまずいな」と思って辞めさせましたが、神田氏の場合“税金滞納”がすぐ刑事事件になるかというと、そうではないんじゃないか、という見通しがあったのも事実だと思います。
ホラン千秋キャスター:刑事事件になる可能性が直ちになかったとしても、財務副大臣であること、それから税理士という税のプロでありながら、というところですよね。
ハロルド・ジョージ・メイさん:やはり国民がどれだけ政府や政府関係者を信頼できるか、というポイントですよね。これはわかりやすいスキャンダルじゃないですか。誰もが「これは駄目だよね」っていうのは誰もがわかるわけで。コメンテーターとして困るんですよ。本来あればニュースの場合、両方の立場を話さないといけないんですが、もう呆れて物も言えません。