理事長「故人守れず、深く反省」=パワハラは終始認めず―宝塚歌劇団

宝塚歌劇団の木場健之理事長は記者会見で「故人の舞台にかける思いをサポートできず、守れなかった。組織の長として深く反省している」と謝罪した。女性団員の過酷な労働の状況については「『長の期』(下級生のまとめ役)の仕事が、これほど多岐にわたっていると把握できていなかった」と認識不足を認めた。
2時間14分にわたった記者会見の中で、劇団側は何度も「強度の心理的な負荷」を女性にかけたとして謝罪。村上浩爾専務理事は、過密な公演スケジュールの中で、上級生から女性への指導が厳しくなった可能性を指摘し、「場合によっては厳しい叱責があったかもしれない。(負荷の)一つの大きな要因ではないか」と説明した。
ただ、調査報告書は「いじめやハラスメントは確認できなかった」と結論付けた。村上氏は「『なかった』で済ませてはならない」と再発防止を約束したが、劇団側は最後までパワハラについては事実を認めなかった。
上級生がヘアアイロンで女性の額にやけどを負わせたとされる事案については「そのようにおっしゃるのであれば、証拠をお見せいただけるようお願いしたい」と強く否定する場面もあった。
[時事通信社]