旧ジャニーズ事務所の性加害を訴えている「ジャニーズ性加害問題当事者の会」所属の40代男性が死亡した問題で、遺族の代理人弁護士が14日、取材に応じ、遺族のコメントを明らかにした。
コメントは次の通り。
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彼は、2023年10月、自ら命を絶ち逝去いたしました。突然の旅立ちをいまだに信じられず、現実感がなく、私たち家族は呆然(ぼうぜん)とした日々を送っています。
彼は本年5月、旧ジャニーズ事務所に電話で、在籍時の1995年にジャニー喜多川から性加害を受けたことを訴えました。事務所の応対者は、在籍確認を行い、「担当者が必ず折り返す」旨を約束しました。しかし、その後5か月以上、ジャニーズ事務所から連絡は一切ありませんでした。性被害の深いトラウマを抱えながらも、「若い人たちによりよい社会を残したい」と、9月に再度の告発もしました。その訴えにも事務所からはなんの応答もなく放置され、彼の焦燥感、悩みは深まっていました。
また、彼は事務所に対して誹謗(ひぼう)中傷への対策も求めていましたが、事務所幹部は会見で「誹謗中傷をやめてください」と呼びかけるのみで、具体的な措置を講じていませんでした。彼は、被害者が自ら対策に取り組まねばならない状況について、「事務所がやるべきことを、なぜ被害者だけが負担を負わなければならないのか」と語っていました。
彼の心労は、元々抱えてきた性被害のトラウマの再燃とも相まって、一層深刻なものになっていました。そして、家族を残したまま、志半ばで自死するに至りました。
相談窓口
・#いのちSOS
「生きることに疲れた」などの思いを専門の相談員が受け止め、一緒に支援策を考えます。
0120・061・338=フリーダイヤル。月・木、金曜は24時間。火・水・土・日曜は午前6時~翌午前0時
・いのちの電話
さまざまな困難に直面し、自殺を考えている人のための相談窓口です。研修を受けたボランティアが対応します。
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0120・783・556=フリーダイヤル。午後4時~同9時。毎月10日は午前8時~11日午前8時、IP電話は03-6634-7830(有料)まで。
・まもろうよ こころ(https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/soudan/sns/)
さまざまな悩みについて、LINEやチャットで相談を受けている団体を紹介する厚生労働省のサイトです。年齢や性別を問わず、自分に合った団体を探せます。
・こころの悩みSOS(https://mainichi.jp/shakai/sos/)
悩みを抱えた当事者や支援者への情報のほか、相談機関を紹介した毎日新聞の特設ページです。