去年、北海道旭川市の住宅の敷地内で、自宅を訪ねてきた夫婦をナイフで刺し、殺人と殺人未遂の罪に問われた裁判員裁判が旭川地裁で始まり、被告の男は、殺意を否認しました。
隣人女性の証言 「おじさんやめてと叫びました」
川口被告の犯行を目撃した隣人の女性の証言です。
旭川市の無職・川口和人被告58歳。 川口被告は、訪ねてきた夫婦を折りたたみナイフで複数回刺し、夫を死亡させ、妻にけがをさせた、殺人と殺人未遂の罪に問われています。 旭川地裁の裁判員裁判は、法律に基づき被害者の名前を伏せる形で行われました。 起訴内容について問われ「弁護士に一任しています」と答えた川口被告。 続く弁護人は「夫のAさんを殺すつもりはなく、妻のBさんを傷つけるつもりもなかった」と殺意を否認し、「当時の精神状態は心神耗弱または心神喪失で、殺人および殺人未遂罪は成立しない」と主張しました。
「心神耗弱」は「減刑」、「心神喪失」は「無罪」を意味します。
今回の事件のきっかけは「BB弾を敷地内に投げ入れた子どものいたずら」でした。 検察官は、この確認で訪れたAさんとBさんに、川口被告が「全員ぶっ殺してやる」といって背中などを何度も刺したと、強い殺意を指摘。 これに対し、弁護人は川口被告がAさんから「どこが傷ついているんだ」などとまくしたてられ、「恐怖で精神障害を引き起こし、善悪の判断ができない状態だった」と主張しました。
隣人女性の証言 「首や背中の方に刃物が刺さっているのが見えました。何回もです」
犯行を目撃した隣人の女性は、刺殺されたAさんが川口被告に反撃する様子は「なかった」と証言しました。 裁判は、15日、現場にいたAさんの長女の証人尋問などが行われます。