宝塚歌劇団(兵庫県宝塚市)は14日、宙組に所属していた25歳の現役タカラジェンヌが9月に自宅マンションから転落死した問題について、同市内で会見を開いた。
外部委託していた弁護士チームの調査報告書を10日夜に受領したとして、木場健之(けんし)理事長は「調査報告書を真摯(しんし)に受け止め、改善に努めてまいりたい。ご遺族のみなさんには、大切な命を守れなかったことを深くおわびしたい」と謝罪した。12月1日で理事長職を辞任することも発表した。
今月10日、亡くなった生徒の遺族の代理人弁護士が都内で会見し「過重な業務や上級生のパワハラによって心身の健康を損ない、自殺に至った」と訴え、歌劇団との話し合いで補償と謝罪を求めるとしていた。
宙組生などからヒアリングした調査結果によると、2021年8月に故人が上級生Aからヘアアイロンを額に当てられて、やけどを負ったが、調査報告を受けた上で「故人に対するいじめやハラスメントはなかった。(上級生の)『うそつき野郎』などの発言はすべて伝聞」と説明。一方で、新人公演のまとめ役の負担などによる長時間労働には「タレント契約ですが、健康面の配慮が足りなかった。深く反省している」と述べた。
調査の提言を受けて歌劇団は(1)年間興行数を9から8に、1週間あたりの公演数を10から9に減らす(2)自主稽古のあり方の改善(3)新人公演のあり方の見直し(4)組ルールの整理・合理化、など対応策を示した。