9月に25歳団員が転落死し、10月に外部弁護士による調査チームを立ち上げていた宝塚歌劇団が14日、兵庫県内で緊急会見を開いた。
劇団の木場健之理事長(60)、村上浩爾専務理事(56)、井塲睦之(いば・のぶゆき、52)理事・制作部長が登壇し、団員死亡をめぐる調査の説明、今後の対応について報告。新しい取り組みにも言及した。
木場理事長は「対処すべき課題としてご指摘いただいた内容を含め、今後、改善に取り組んでまいります」と語った。
調査報告書では「本件事案が発生した直前期の出来事は、それぞれ一定の強度の心理的負荷であったとの評価があり得た」とし、総合的見地から「客観的に精神障害を発病させる恐れのある強い心理的負荷であるとされる場合に相当する強い心理的負荷が故人にかかっていた可能性が否定できない」と指摘されたとした。
団員は宙組所属の7年目。9月30日に、兵庫県宝塚市内の自宅マンションから転落死し、宝塚署などは、自殺の可能性があるとみて調べていた。劇団では、10月7日に外部弁護士による調査チームを立ち上げて会見。背後関係を調べて発表するとしていた。
また、11月10日には、遺族の代理人弁護士が都内で会見し、「過重な業務や上級生劇団員のパワハラによって心身の健康を損ない、自殺に至った」と訴え、劇団に謝罪と補償を求めた。
23年8~9月に約1カ月半の連続勤務をし、亡くなるまでの約1カ月間の時間外労働を推計すると「過労死ライン」を大幅に超える約277時間に上っていたことも明かされた。
遺族もコメントを発表し「常軌を逸した長時間労働で極度の過労状態に置きながら、見て見ぬふりをした」とし、パワハラの加害者とともに責任を認めてほしいと訴えていた。
これを受け、劇団は11日夜、調査報告書を受領したと発表。調査結果については「今後の改革の方針とあわせて、近日中にお知らせいたします」としていた。
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