11月14日は「いい上司の日」。今や76歳(という設定)の島耕作氏が、佐賀県の副知事に正式に就任した。1982年の読み切り「係長 島耕作」から始まり、課長→部長→取締役→常務と作中で昇進を重ね、現在は「社外取締役 島耕作」が連載中の同氏。佐賀県は、人気ビジネス漫画と“コラボ”して作中でスポーツビジネスを取り上げてもらうことで、県としての情報発信を一段と強化したい考え。
◆人脈を活かしてスポーツ・半導体の情報発信
14日付けで佐賀県の副知事に任命されたのは、漫画のキャラクター・島耕作氏(76)。連載40周年を迎えた人気シリーズの主人公として知られている。50年以上にわたってビジネスの最前線で活躍してきた同氏は、培ってきた人脈や知見を活かして、県が推し進めるスポーツビジネスや半導体産業の情報発信を担うことになっている。
◆託された3つの公務、オリジナル漫画「副知事 島耕作」を公開
佐賀県は民間からの中途採用者の割合が約15%を占め4年連続で全国1位(今年4月時点)。これまでも多様な人材を受け入れてきた。漫画のキャラクターを“中途採用”するのもその一環だと位置づけている。副知事に託された公務は▽スポーツビジネス、▽半導体産業、▽執務室の公開の主に3点。このうちスポーツビジネスの分野では、SAGAアリーナの建設やプロスポーツチームの支援などの事業を後押しすることが期待されている。手始めに、同日付けで原作者・弘兼憲史氏が監修したオリジナル漫画「副知事 島耕作」が県の特設サイトで公開された。作中では、副知事に就任するまでの経緯や佐賀のスポーツビジネスが描かれている。
◆ブランドとの協業が新たなビジネス生み出す契機に
また、伸びしろの大きい半導体産業において、人材の育成やサプライチェーンの強化をはかる「さが半導体フォーラム」の情報発信も島耕作氏の助けを得て加速する。同県は2015年より地方創生プロジェクト「サガプライズ!」を始め、企業やブランドと連携しながら、地域の魅力を特に首都圏に届けることに注力している。“島耕作副知事”は「このプロジェクトが新たなビジネスを生み出し、佐賀県ひいては日本の未来をよりよいものにできるよう、全力で取り組んでまいります」とコメントしている。今月27日からは佐賀県庁の旧知事室に執務室が設けられ、最先端のCG技術で再現した島耕作に会える企画展などのイベントも開催される。
*シリーズ関連の写真の著作権は弘兼憲史/講談社に帰属します