大阪府南部の富田林市と河南町、太子町、千早赤阪村を走る金剛自動車の路線バス(金剛バス)が廃止される問題で、4市町村の協議会が16日、河南町で開催された。全15路線を10路線に統廃合する内容が正式に決定。短期間で急きょ策定された新路線が利用者の需要に合っているかについて今後、実態調査や市民アンケートなどを実施する方針が示された。
金剛バス廃止(12月20日)後の新路線は通勤、通学などで利用者が多い主要5路線を中心にした10路線。一部は補完運行もなされ、協議会によると、金剛バスの約6割の便数が確保されたという。
路線バスの延伸などを求める要望書が出ていた富田林市の甘南備(かんなび)地区については補完案が一部見直され、近鉄富田林駅と甘南備バス停を結ぶ路線が4便、運行することになった。
新路線の運行事業者は自治体と近鉄バス、南海バスで近く近畿運輸局に申請する。運賃は金剛バスの料金体系を継承し、運行経費などは4市町村が営業距離に応じて負担。2023年度分の負担金は、富田林市約6556万円▽太子町約2635万円▽河南町約5035万円▽千早赤阪村約770万円――となった。24年度以降、新路線の売り上げが伸びなければ、4市町村の負担が重くなる可能性がある。金剛バス廃止の理由の一つがバス利用者の急減だったこともあり、負担のあり方が課題として残った。
今回の協議会には4市町村の首長がオブザーバーとして出席、新路線を「持続可能なものにしていかなければならない」との発言が続いた。
協議会閉会後の記者会見で、事務局は利用者の実態調査や市民アンケートを実施する意向を示し、協議会の松田貴仁会長は将来的には運賃の見直しをする必要性にも言及した。【玉木達也】