2歳児放置死 事件直前に「内縁関係は解消」と無罪主張の弁護側

自宅で小野優陽(ゆうは)ちゃん=当時(2)=の両手足を粘着テープで縛って監禁した上、丸2日近くにわたり放置して熱中症で死亡させたとして、保護責任者遺棄致死罪などに問われた無職、桃田貴徳(たかのり)被告(52)の16日の裁判員裁判初公判で、無罪を主張する弁護側は冒頭陳述で、事件直前に優陽ちゃんの祖母、小野真由美被告(47)=同罪で起訴=との「内縁関係は解消した」と養育者であることを否定した。
起訴状によると、両被告は共謀し、昨年6月24~29日、大阪府富田林市の自宅に設置した乳児用の柵「ベビーサークル」の中で断続的に優陽ちゃんを監禁。うち27日夜~29日は両手足を粘着テープで緊縛した上、十分な水や食事を与えずにベビーサークル内に置き去りにし、熱中症で死亡させたとされる。
弁護側は冒頭陳述で、両被告の内縁関係は事件直前の同月22日に「解消した」と主張。監禁が始まったとされる同24日から一緒に外泊したものの「復縁話はなかった」とした。
現場の団地一室では、当時高校生で15歳だった小野被告の四男も住んでいた。優陽ちゃんをベビーサークル内に放置したとされる期間についても、高校生だった四男が家にいたことを踏まえれば「置き去りにはあたらない」と反論した。罪状認否の中で桃田被告は粘着テープでの緊縛行為も否定した。
一方、検察側は冒頭陳述で、2人の関係は、桃田被告が生活費を負担する「事実上の夫婦」だと説明。事件1カ月前までにベビーサークルの側面を板で覆ったり蓋を付けたりする改造をしており、「おむつを脱いで汚物を散らかしたり、おむつを投げたりすることがあり、疎ましく思って緊縛するようになった」と指摘した。